教科教育の特徴

自立した学習者に

自己選択・自己決定
自ら学ぶ力を育む

これからの社会は、変動的で不確実、複雑で曖昧なVUCAの時代と言われます。正解を与えられるのではなく、自らの力で最適解・納得解を導き出す力が必要とされます。本校では、そのような時代に自らの力で未来を切り拓いていけるような、受け身でなく能動的に学んでいける子供の育成を目指しています。

個別最適な学び

今、教育現場で求められている「個別最適な学び」。これまでの学校では、一律の目標のもとで、一律の内容を一律のペースで一斉に受動的に学ぶ授業が行われてきました。得意な子も苦手な子も同じことを同じようにすることを求められてきたのです。

「個別最適な学び」は、一人ひとりを大切にした学びです。子供たちが自分に合った内容を自分に合った方法で自分に合ったペースで学べるよう、教師は授業を常にアップデートしています。

学習者用端末

2020年、GIGAスクール構想の前倒しで日本全国の小中学校に学習者用端末が配備されました。近畿大学附属小学校ではそれよりも前から端末の活用を進めており、iPadは特別なものではなく、もはや文具の1つとして学習に浸透しています。これまで紙と鉛筆でしかできなかった表現の幅が大きく広がったことで、子供たちが自分の考えを発信したり表現したりすることに積極的になっています。

「楽しい、もっと頑張ろう」の姿勢を育みます。わかった!楽しさ・満足感(自分の力で解決できた!次も頑張るよ!)→もっと頑張ろう!学習への意欲(今までに勉強してきたことを工夫して使えば解決できるんだ!)→これもやってみよう!主体的な学習活動「与えられる学習」から「自らの学習」へ(この解決の方法はこれからも役立ちそうだね。)→しっかり考えれば未来はひらける!生きてはたらく力。主体的な学習活動によって獲得した考え方や知識・技能は、しっかりと身につきます。

国語

表現を楽しみ、
言葉の力を伸ばす

本校の国語科では、子供が「国語を学ぶことは楽しい」と感じられる学習過程を重視しています。単元のはじめに言葉を使った魅力的な表現活動を示して子供たちの意欲を高めることで、子供たちは、楽しみながら言葉の力を身につけていきます。また、国語の学習が子供たちの読書生活を豊かにする入り口となるよう、教材文以外の作品に触れることが必然となる学習過程を構想しています。

  • 低学年~声での表現を楽しむ~

    低学年では、音声での表現力を高めることを目指した表現活動に取り組んでいます。子供たちは、本校オリジナルの「近小音読集」や教科書の教材を声を出して読むことを通して、美しい日本語に親しみ、表現することを楽しんでいます。

  • 中学年~多様な表現を楽しむ~

    中学年では、言葉を使った多様な表現活動に取り組んでいます。学習で身につけた言葉の力を基盤として、タブレットのアプリケーションの特長を活かした動画作成や、効果的なプレゼンテーション作りなどの表現活動を楽しんでいます。

  • 高学年~考えの深まりを楽しむ~

    高学年では、子供が自らの考えを深め、目的に応じて的確に表現する活動に取り組んでいます。日常生活に生きてはたらく言葉の力をつかみ、自己との対話や友だちとの交流を通して、自分の考えを深めることを楽しんでいます。

算数

「算数」を、
そして「学び方」を学ぶ

算数科では、考える楽しさを味わえるような学びの機会を大切にしています。知識を暗記するだけでなく、自分で問いをもち生活場面で活用できることが目標です。また、近小型自由進度学習を通して「学び方」を身につけることも大切な目標です。仲間や教員と「算数」をわかるよろこびや深める楽しさを味わえるようにサポートしていきます。

近小型自由進度学習

算数科では、全員で同じ課題に取り組む一斉での学習ではなく、子供一人ひとりにあった学習が行なわれています。

課題に応じて、教科書を使うのか学習者用端末(iPad)を使うのか、また、個人や友達や教員、誰と学ぶかも自分自身で選択します。このような学び方が子供たちの学習意欲を高め、学びに自信をもって取り組むことができます。

算数の学習時間をただ知識を得る時間だけにせず、自分自身にあった「学び方」を見つける機会となるようにサポートしています。

S・T
(サポートティーチャー1〜6年生)

子供一人ひとりのつまづきを見逃さないよう、複数の教員が連携して日々の授業を支えます。理解に応じて個別に声をかけたり、支援を加えたりしながら、子供たちの安心と成長をサポートしています。

英語

国際社会で活躍するために
必要な英語力・コミュニケーション力の土台を育成

日本人教員とネイティブ講師によるティームティーチングを1年生から導入し、全学年で週2時間の英語授業を行っています。6年間を通して、英語のシャワーをたっぷりと浴びながら、さまざまな場面に応じて英語を使う経験を積んでいきます。1・2年生では、歌やゲームを取り入れ、楽しみながら英語に親しむことを大切にしています。また、フォニックスを通して基本的な音のルールを学び、簡単な単語が読めるように練習します。3・4年生では、ペアワークや発表活動を通して、英語力と自信をさらに育てていきます。アルファベットの学習や、短い文の読み書きにも取り組みます。5・6年生では、自分のことや身近なテーマについて簡単な英文を作成し、「聞く・話す・読む・書く」の四技能をバランスよく伸ばします。プレゼンテーションやビデオ制作など、英語を使って表現する活動にも力を入れています。また、5・6年生は、全員がTOEFL Primaryを受検し、自分の英語力を確認する機会も設けています。

授業のほかに、高学年では学習してきた英語を生かせるよう、オックスフォードサマースクール(4・5年生希望者)や英語を使ったフィールドワークなどを実施しています。異文化に触れる機会をたくさん持ち、進んでコミュニケーションを図ろうとする子どもの育成を目指します。

外国人観光客にインタビュー

6年生では、京都を訪れる外国人観光客の方に、英語でインタビューを行います。どんなことを質問してみたいか話し合い、iPadのアプリを使って必要な表現をAI(人工知能)と練習。質問したい内容がスラスラと言えるようになれば、いざチャレンジ。子どもたちは自分の英語が伝わる喜び・達成感を味わい、コミュニケーションの楽しさを体験します。

理科

「自分で見つける」
「自分で決める」理科学習

本校の理科では、先生が一方的に教える授業だけではありません。例えば、ある現象について実験で確かめたいとき「どんな方法で試してみようか?」「どんな道具を使ったらもっとよく分かるかな?」と、子供たち自身が考え、相談し、実験方法や使用する器具を自分たちで選択・決定する機会を多く設けています。この「自己選択」「自己決定」のプロセスを通じて、問題解決能力や主体性を育んでいます。

授業の中では、子供たちの「なぜ?」を最大限に引き出すことを大切にしています。もし疑問にぶつかったら「どうすればその疑問を解決できるだろう?」と問いかけ、子供たち自らが積極的に情報を集めたり、実験を計画したりして、主体的に課題を解決していく力を養います。失敗を恐れず、何度も試行錯誤を繰り返すことで、科学的な思考力も自然と身についていきます。

豊かな自然環境をフル活用!

校庭に広がるビオトープや、教室で観察できるアクアリウムは、子供たちにとって最高の学びのフィールドです。教科書の中の知識だけでなく、実際に生き物の様子を観察したり、植物の成長を記録したりと、五感をフル活用した体験的な学びを深めています。季節の移り変わりとともに、自然の中で起こる様々な変化を肌で感じ、生命の尊さや自然の摂理を実感する貴重な機会となっています。

本校の理科教育は、子供たちが未来を生き抜く上で必要な「自ら考え、判断し、行動する力」を育むことを目指しています

社会

自らの問いをもち、実地に学ぶ

2年生から行社会科では、問いをもって学ぶ姿勢を大切にしています。知識をただインプットするだけではなく、自らの問いについて調べたり、友達と考えを共有したりしながら理解を深めていきます。また、低学年から行う宿泊行事や校外学習など、「本物にふれる」機会を数多く用意しています。実地に学ぶ経験は、子供の心をゆさぶり、自らの問いを広げることにも繋がります。アウトプットの選択肢が増えたことで、自分の学びや考えを自由に表現することができるようになりました。表現する力を身につけ、伝え合う楽しさを味わいながら、自分と社会の未来について考える子供の育成を目指しています。

近小都道府県かるた

入学祝い「お国自慢・都道府県かるた」は近小オリジナル教材です。都道府県の名産品や観光地がリズムよく登場する読み札は、高学年になっても大活躍。取り札にはシルエットが描かれているので、何に見えるか見立てながら楽しむこともできます。毎年、都道府県かるた大会も開催されています。

生活科・総合的な学習の時間

五感を鍛えて、気づきを高める

「近小 生活科 六箇条」を設け、子どもたちが積極的に五感を働かせながら、人や自然と関わり、実体験から学ぶことを大切にしています。気付いたことや発見したことを友達と交流することを通して、学ぶ楽しさを知り、より深い学びを育みます。

それぞれのゴールに主体的に向かう

1年生「新しい1年生とふれあおうプロジェクト」、2年生「動物園プロジェクト」「郵便局プロジェクト」など、目標に向かって子供たちが試行錯誤、工夫して主体的に取り組むプロジェクト型の学びを通して、低学年のうちから探究的に学ぶ授業を行なっています。

3年生以上の総合的な学習の時間では、この経験をもとにさらに大きなプロジェクト(防災、平和教育、起業家教育など)に取り組みます。低学年で身につけた様々な表現手段や、各教科で身につけた見方・考え方を活用して、より深く課題に向き合い、自分なりの問いを立て、仲間と協働しながら解決に挑む姿が見られます。こうした一連の学びの積み重ねが、「自分で課題を見つけ、考え、行動する力」を育み、これからの社会を生き抜く力の土台となっていくのです。

体育

からだとこころを鍛え、育てる

生きるための土台となる強い身体と何事にもくじけない強い心をつくるのが本校の体育教育です。その一環として、水泳学習・臨海学舎(1学期)、運動会(2学期)、耐寒訓練・耐寒生駒登山(3学期)などを行っています。こうした活動の中で、自分の限界に挑む力や、仲間と助け合いながら乗り越える経験を重ねています。また普段の体育授業では一人ひとりが自分なりの目標をもち、それに向かって努力する姿勢を大切にしています。iPadを使って自分の動きを記録・確認したり、仲間とフィードバックをし合うなどして、子供たちは、できる・できないにとらわれず、今の自分を受けとめながら前に進む力を身につけていきます。

体育施設

「運動場」「アリーナ」「体育室」と体育施設が充実しています。アリーナは空調完備でバスケットコートが2面もとれる圧巻の広さです。運動場は人工芝のため、怪我の心配もなく、楽しく体を動かすことができます。また陸上競技場のような50m直線ラバーも設置しています。

音楽

仲間とともに楽しむ、
奏でる、創る

本校の音楽科では、子ども一人ひとりが自分の良さや目標を見つけ、自分なりの音楽の楽しさを感じられる学びを大切にしています。生成AIやデジタル技術の発展により生活の利便性が増す一方で、人と人とのつながりがこれまで以上に重要な価値や意味を持つようになってきました。そのような中で、音楽を介して心を通わせ、仲間とともに楽器の音色や歌声を響かせる楽しさ、仲間とともに一つの音楽を創り上げる感動を味わうことは、子供たちの豊かな感性の育成につながります。

授業では、わらべうたや遊び歌を使った学習、周りの友達と協力して進める音楽づくりや鑑賞、聴き合いながら学びを深める合奏や合唱など、様々な活動を通して音楽の仕組みや技能を学んでいきます。こうした学びの集大成として、12月にはオリックス劇場にて音楽会を開催しています。大きなホールいっぱいに子供たちの奏でる音色や歌声が響きわたり、一人ひとりが生き生きと音楽を表現する姿を観ることができます。

Another Stage もうひとつの舞台

学期に一度、休み時間に開催しています。ピアノやドラム、バイオリン、歌など学外で習っていることを学校の友達の前で発表する機会です。日ごろの練習への意欲を高めたり、いつもとは少し違う友達の新しい面を発見したりすることができます。

図画工作

日常に生きる力と、
創造性の育成

図画工作の時間では、完成した作品だけでなく、そこにたどりつくまでの過程をとても大切にしています。「どうしたらもっとよくなるかな?」「これを使ったら面白いかも!」と、試行錯誤をくり返しながら、子供たちは自分なりの表現を見つけていきます。

うまくいかない時には立ち止まって考えたり、友だちと相談したりしながら、ねばり強く取り組む体験は、図工のみならず、これからの時代に必要とされる、自ら考え行動していく力へとつながっていきます。

また、ICTを活用した制作や、多様な素材との出会いなど、子供たちの「やってみたい!」を引き出す工夫もいっぱいです。

2学期・3学期にそれぞれ開催する近小焼展・作品展では、全児童の作品を展示し、一人ひとりの思いがこもった表現をみんなで鑑賞し合い、認め合う交流の機会となっています。

焼きもの制作

1階ピロティーに専用の陶芸窯を据え、各学年、年に一度以上は焼きもの制作を行っています。土ひねりから焼成までのすべての工程を校内で体験することができます。

洗心(道徳)

確かな生活習慣を身につけ、
豊かな心を

基本的な生活習慣をしっかりと身につけ、実践する姿勢を養うために、あいさつ、食育、片づけ・清掃の指導に力を入れています。また、毎月学校行事などと関連した「心の言葉(テーマ)」を掲げ、日々の学校生活の中で豊かな心を育てます。併せて「生活で気をつけること」を定め、より良い社会生活が送れるように自立の基礎を養います。本校オリジナルの心のノート『洗心』を活用して、道徳の時間の充実を目指しています。