【校長室だより】『音に出会った日』

| 教育エッセイ

毎週月曜日に行われる児童朝礼では、

毎回、校長先生から全校児童にお話があります。

今週の校長先生のお話を紹介します。

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10月26日(月)『音に出会った日』

おはようございます。

近小生の多くは電車で学校に来てくれていますが、

先生も電車で通勤しています。

時々、白い杖を持って電車に乗って来られる方を見ることがあります。

目の不自由な方です。

他にも、毎朝駅員さんに助けられながら、車椅子で通勤される方もおられます。

体の不自由な方のお手伝いができなくても、

邪魔にならないよう気をつけたいと思います。

先日、新聞で、ジョー・ミルンというイギリス人女性のことを知りました。

彼女は生まれつき耳が聞こえませんでした。

そのために、小学生や中学生の時はひどいイジメを受けたそうです。

でも、彼女は負けませんでした。

大人になったとき、障害を持つ人たちを助ける仕事につきました。

でも、29歳の時、「アッシャー症候群」との診断を受けます。

徐々に視野が狭くなり、視力が失われていく難病です。

みなさんは、双眼鏡を覗いたことがありますか?

遠くのものが、大きく近くに見えますね。

でも、その双眼鏡を反対側から覗くと、逆に物が小さく遠くに見えます。

ミルンさんは、そんなふうに、

だんだん長い筒を通して見るような視野になっていきました。

音が聞こえない彼女が、今度は光さえ失うことになってしまいます。

車の運転も、思い切って走ることもできなくなる。

彼女は4年間、悩んだそうです。

でも、現実を受け入れるしかない。

できないことを嘆くのではなく、新しいやり方を見つけ出すこと。

やがて彼女は白い杖と盲導犬を受け入れ、人工内耳の手術を受ける決心をしました。

39歳の時でした。

手術後、人工内耳のスイッチを入れた時、彼女は初めて音を聞きました。

あまりの喜びで、彼女は涙が溢れて止まりませんでした。

その時の様子を、彼女の友人がユーチューブにアップすると、

それを見た世界中の人たちが感動しました。

彼女が自分の経験を書いた本は、日本語版も出版されています。

タイトルは『音に出会った日』。

機会があれば、みなさんも読んでみてください。

見えることや、音が聞こえることは当たり前ではないと気付かされます。

改めて感謝の気持ちを持つとともに、

身体の不自由な方への思いやりも持ってほしいと思います。

彼女の本に、マーク・トウェインの言葉が書かれています。

「やさしさとは、耳の聞こえない人も聞くことができて、

 目の見えない人にも見ることのできる言語だ」

しっかり勉強して、本当の意味で目の見える人になりたいですね。

一緒に頑張りましょう。

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