【校長室だより】 骨髄バンク

| 教育エッセイ

毎週月曜日に行われる児童朝礼では、毎回、校長先生から全校児童にお話があります。今週の校長先生のお話を紹介します。

おはようございます。

先日、水泳の池江璃花子選手のことがニュースになっていました。

池江選手は去年のアジア大会で6個の金メダルを獲得して

MVP(最優秀選手)に選ばれるなど、

2020年の東京オリンピックでも金メダルを期待される選手です。

その池江選手が白血病にかかっていることが分かったそうです。

白血病は「血液のガン」と言われる病気です。

池江選手はまだ18歳。

日本中の人が衝撃を受けたと思います。

一日も早く元気になって、

また笑顔を見せて欲しいと願わずにいられません。

白血病の治療法の一つに、骨髄移植があります。

患者さんの型に合う骨髄液を、

別の人からいただいて移植するという方法です。

でも、HLAと言われる型の合う人を見つけるのはとても難しく、

兄弟間では4分の1の確率ですが、

親戚などでない他の人と適合する確率は

数万分の一とも言われています。

そのため、できるだけ多くの人の型を登録しておけば

誰かが白血病になったとき、適合する人が見つかりやすくなります。

その役割をしているのが骨髄バンクで、

現在50万人近い人達が登録しています。

この骨髄バンクの設立に大きな役割を果たしたのが

大谷貴子さんという女性です。

この大谷さんは、近畿大学附属高校女子部の卒業生です。

大谷さん自身も、

千葉大学の大学院生だった25歳のとき、白血病を発症。

骨髄バンクの設立を考え始めます。

大谷さんにはお姉さんがおられたのですが、

残念ながらHLAは適合しませんでした。

絶望の中で何日も泣いている大谷さんにお姉さんが声をかけます。

「泣いてる時間、あるの? 骨髄バンク作らなあかんやろ?」

大谷さんは、

「骨髄バンクが出来たって、私には間に合わへんやん!」と答えます。

そのとき、お姉さんがおっしゃったそうです。

「あんたに間に合わへんかっても、

骨髄バンクが出来たら大勢の人が助かるやろ。」

その後、大谷さんは奇跡的に

お母さんとHLAが合っていることが分かるのですが、

病状が急に悪くなり、急いでお母さんから骨髄移植を実施。

かろうじて生還することができたそうです。

そして、翌年には東海骨髄バンクを設立。

さらに2年後に全国骨髄バンクが発足します。

その結果、これまでに何万人もの人たちの命が助けられました。

本当に素晴らしいことですね。

今日は、簡単にしか紹介できませんでしたが、

大谷さんが経験されたことは

「白血病からの生還」という本にまとめられています。

骨髄移植は、骨髄液を受ける患者さんにも、

ドナーと言われる提供する側の人にも危険や負担が伴います。

でも、それを超えて、命が救われる大きな喜びがそこにはあります。

特に将来、医療系の仕事に興味のある人は、ぜひ読んでみてくださいね。

白血病からの生還.jpg