【校長室だより】ものを大切にする心

| 教育エッセイ

毎週月曜日に行われる児童朝礼では、毎回、校長先生から全校児童にお話があります。今週の校長先生のお話を紹介します。

 2月6日 月曜日 ものを大切にする心

 今日は、以前テレビ番組で紹介されていたフランスのパリの傘修理専門店のお話をします。その店では職人さんの高い技術と膨大な部品のストックで骨董品のような古い傘でも、まるで新品のように直します。パリに住む人たちのモノを大切にする精神とそれを支える職人さんのプロの技が紹介されていました。

 今から50年ぐらい前、日本にも傘修理の店がありました。当時、洋傘は高価なもので骨が折れたら直したり布を張り替えたりして大切に使うのが当たり前でしたが、その後、値段の安いビニール傘の普及で、いつの間にか傘修理の店は消えてしまいました。

 モノの値段史年表という本があります。洋傘の値段と散髪料金の変遷を調べてみました。

 洋傘は1951年(S26)に平均905円、約60年後の2014年(H24)では1054円で、約1.2倍であまり変わっていません。機械化や材料の工夫などにより価格が抑えられているようです。

 それに対して理髪料は平均62円から2656円となり、約43倍になりました。床屋さんが一日に散髪できる人数には限りがあるので、料金は物価の値上がりと連動しています。

 60年前には傘1本分の値段で14回散髪できましたが、今では傘1本分では散髪1回分に足りないようです。この60年間で傘の金銭的価値が下がったことがわかります。今の感覚で言うならば、60年前は傘1本が今の3~4万円の価値があったということになります。

 ビニール傘が傘立てにいっぱいつまっている会社はつぶれるというビジネス法則があるそうです。安いからといってモノを大切にできない会社は淘汰とうたされる。つまり生き残れないということです。

 金銭的価値は変化してもモノ本来が持っている道具としての価値は変わりません。金銭的な価値がすべてではないことをちゃんと理解できる力を持って欲しいと思っています。

51+jUGHbIVL._SY498_BO1,204,203,200_.jpg傘の修理屋さん.jpg 傘の修理屋さん(昭和の頃)