【校長室だより】 「100台目の自動車」

| 教育エッセイ

毎週月曜日に行われる児童朝礼では、毎回、校長先生から全校児童にお話があります。今週の校長先生のお話を紹介します。

5月2日 月曜日 「100台目の自動車」

 今年の春の交通安全週間は、4/4~4/15でした。皆さんにも交通安全にと心がけて欲しいと思います。今日は、ある小学校の元校長先生が、中学生になった卒業生からもらった一通の手紙にまつわるお話を紹介します。

 「先生が教えてくれた『100台目の自動車』は本当でした。もし1年生の時にこのお話を聞いていなかったら、私は今いなかったかもしれません。有難うございました」と書いてあったそうです。そのお話とは次のような内容です。

 「皆さんが、自転車や歩いている時に、T字の交差点にさしかかったら、必ず一度止まって左右を見回して安全を確かめてから道路を曲がりましょう。99回止まって左右を見ても何も来ないかもしれません。でも、100回目には自動車がくるかもしれません。100回に1回しか起きないことでも、もし起きたらおしまいです。だから無駄だと思わずに毎回止まる癖を付けましょうね。」

 その時に、小学校1年生だった女の子がその手紙の差出人です。1年生でそのお話を聞いてから、歩いていても自転車でもT字路にくるといつも止まる癖がついていたそうです。中学生になってもそれを守っていたそうです。友達からは「真面目なのね。自動車なんかくるはずないわよ。ばかみたい」とからかわれていたそうです。

 中学2年生になったある日、夕方、習い事に行く途中に、いつものようにT字路の手前で止まりました。するとすごいスピードで1台のダンプカーが、目の前1mも無いところを通り過ぎたそうです。思わず血の気が引いて、しばらく動けなかったそうです。その後、家へ帰り、すぐに校長先生へ手紙を書いたそうです。

 T字路では、左右から来る車は見えません。車からも皆さんが見えません。でも、止まらない大人もいます。赤信号も同じです。「知っていること」と「できること」とは違います。事故に遭ってから、いくら後悔しても取り返しがつきません。大切なのは、「できること」です。

 「100台目の自動車」は、私たちにたくさんのことを気づかせてくれるお話だと思いました。皆さんはこのお話を聞いて何を感じますか。色々なことを考えながら、普段の自分の姿も思い浮かべて下さい。近小生の「考えて判断できる力」に期待しています。