【校長室だより】 成虫原基

| 教育エッセイ

毎週月曜日に行われる児童朝礼では、毎回、校長先生から全校児童にお話があります。今週の校長先生のお話を紹介します。

11月16日月曜日 「成虫原基」

 今日は、先週のお話に関連する「成虫原基」ということについてのお話です。聞いたことがある人はいますか。あまり耳にしない言葉ですね。

 蝶のような昆虫は、成長に従って姿を大きく変えます。幼虫は蛹(さなぎ)になり、やがて幼虫とは全く違った姿の成虫に羽化します。このような変化を「完全変態」と言います。

 完全変態をする昆虫は、幼虫の時代から「成虫原基」という部分を身体の中に持っているそうです。その部分には、成虫になったときの姿の元になるところが、折りたたまれた形で仕舞われているそうです。いわば成虫の姿になるための設計図のようなものだそうです。

 でも、もっとすごいことは、蛹の中で起こっていることです。蛹の中では、幼虫の身体の組織はアポトーシス(細胞死)を起こして、すべてがどろどろに溶けるそうです。それと同時に、成虫原基を起点として、成虫(蝶)の組織が再構築されます。

 つまり、蛹の中で、幼虫は細胞以下のレベルまでいったん分解され、再び組み立てられた姿が成虫なのです。

 幼虫には口と消化器官だけがあり、ひたすらもりもりと食べ、栄養を蓄え、成虫になるための準備をします。そして、蛹の中で、青虫は蝶に、ヤゴはトンボになり、成虫として羽化します。

 みなさんは、もちろん昆虫ではありません。でも、人間にも、その時、その時期に、一番、頑張らなくてはならないことがあります。時には、苦しいことや辛いこともありますが、それはすべて、自分の未来につながることを忘れずに取り組むことが大切です。

 未来は、急にやってくるものではありません。毎日の積み重ねの先にあることをしっかりと受け止めて欲しいと思います。毎日の生活や頑張りは、決して嘘をつきません。

 色々なことに取り組みながら、自分の未来を自分の手で作ることを、楽しむことができる「近小生」になって欲しいと思います。