【校長室だより】 秋をみつけよう

| 教育エッセイ

毎週月曜日に行われる児童朝礼では、毎回、校長先生から全校児童にお話があります。今週の校長先生のお話を紹介します。

 9月28日 月曜日 「秋をみつけよう」

 今日は秋についてお話しします。夏も終わり、ずいぶん涼しくなり、やっと秋らしくなってきましたが、実は、暦の上ではもう秋になって約2ヶ月が経ちます。

 「立秋」という日が、夏と秋の境目となります。今年の「立秋」は8月8日でした。例えば、その日を境に「暑中見舞い」から「残暑見舞い」になりました。

 今年は、9月20日が秋の彼岸の入りでした。この時期になると真っ赤な「彼岸花」が咲き始めます。「彼岸花」には色々な名前があります。一番よく知られているのは、「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」という呼び名です。神様が住む天界に咲く花という意味で、「おめでたい事が起こる兆しに、赤い花が天から降ってくる」という仏教の教えがあるそうです。

 彼岸の頃に咲き、球根に毒をあることを利用して土葬した遺体をモグラや野ネズミから守るために、墓地にも植えられたことから、「死人花(しびとばな)」「幽霊花」というような、ちょっと怖い名前もあります。同じ目的から、田んぼの畦道や川の堤防にも植えられ、毒があることから「毒花」「痺れ(しびれ)花」と呼ばれたそうです。

 しかし毒のある球根は、デンプンを多く含んでいるため、飢饉の時には、水にさらして毒を抜き食糧にもしたそうです。田んぼの畦道に植えるのは、飢饉対策でもあったようです。

 彼岸花の一番不思議なところは、他の花と逆のサイクルで成長する事です。秋雨が降り、彼岸の頃になると芽を出し、1日に10㎝近く茎が伸び、50㎝ぐらいになると真っ赤な花だけを咲かせます。

 その後1週間ほどで花も茎も枯れてしまいます。すると今度は球根から葉っぱがぐんぐん伸びてきます。そして冬になって周りの植物が枯れても、葉を茂らしたままで冬を越します。

 春になると盛んに光合成をして、球根に栄養を蓄えますが、夏を迎える頃には葉を枯らして休眠期に入り、秋になり雨が降ると茎を伸ばして花を咲かせる...というサイクルを繰り返しています。

 とっても不思議な花ですが、先生は「曼珠沙華」を見ると秋を感じます。みなさんも、秋だなと感じるものを見つけて下さい。

 最後に、「曼珠沙華」を見るといつも思い出す、中村汀女(ていじょ)という人の俳句を紹介します。

「曼珠沙華 抱くほどとれど 母恋し」

 どんな思いが込められた俳句なのか、自分で色々と考えてみて下さい。 

ビオトープに咲く「彼岸花」

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