【校長室だより】 「積もった雪」
毎週月曜日に行われる児童朝礼では、毎回、校長先生から全校児童にお話があります。今週は校長先生が校務のため、朝礼でのお話はありませんでしたが、担任の先生が、校長先生の用意していたお話を各学級で紹介しました。
【2月23日 月曜日】 「積もった雪」
今日は先週のお話に続けて、積もった雪を見ながらいつも思い出す詩を紹介します。
以前にも紹介したことのある「金子みすゞ」さんの詩です。
題名も、「積もった雪」という詩です。
「上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしてゐ(い)て。
下の雪
重かろな。
何百人ものせてゐ(い)て。
中の雪
さみしかろな。
空も地面(じべた)もみえないで。」
皆さんはどんな感想を持ちましたか。目の前に降り積もった真っ白な雪、一面の銀世界が見えてきましたか。この詩を読むと、自分自身がまるで雪になったような気持ちになります。上・中・下の3層のそれぞれの雪に、深い思いやりの気持ちを寄せる作者の優しさに感動します。
金子みすゞさんは、植物や動物の生き物だけでなく、自分の周りにあるすべてのものに優しい気持ちを向けています。そして、それはきっと人間のわがままや自分勝手な振る舞いなど、自分たちが気付かない「人間の奢り(おごり)」を悲しい気持ちで見つめていたのだと思います。
山も海も川も、森も木も草も、すべての生き物を含めてこそが「自然」であり、そして、その「自然」には私たち人間も含まれるということを、もう一度考えてみることが必要なのかもしれません。
一番大切なことは、人が決して奢らず(偉そうにせず)、自然を敬う(うやまう)気持ちを忘れずに、自然の中で自然とともに生きる工夫を考えることかもしれません。
金子みすゞさんの視点に込められた「優しさ」が、ちゃんと感じられることも、「近小らしさ」に加えてくれることを大いに期待しています。